今回は、普段参加させていただいている横浜のまち歩きコミュニティ「ハマブラ!」と横浜大好き!港町横濱が大好きな人・興味のある人が集う「ハマラブ」というコミュニティとの初コラボ企画に参加してきました。マニアックなルートを巡る旅ということで、舞岡~上永谷を時間を掛けてぐるっと歩いてきました。
募集時の案内には、『開発によって「管理された自然」と開発のなみに「取り残された自然」が交差する探検ルート。昔ながらの田園も残る舞岡公園から、新しく出来た小菅ケ谷北公園を経て、馬洗川(平戸永谷川)沿いを巡ります。ほぼ鎌倉古道沿いを歩き、途中で70年も建設がとまる横浜藤沢道路の建設現場も・・・。そして巡っていくうちに上永谷の由来を知ることとなります。全長およそ10kmほどの距離を3時間ほどかけて巡ります。』とありました。
実際には、参加者からご提供いただいた地図のように8.3kmを3時間ちょっとで歩いたようです。「ハマラブ」の活動では恒例ということで、途中、ゴミなどが落ちていたらついでに拾ってキレイにしながら進みました。では、具体的にどんなところを巡ったか見て行きましょう。
集合場所は、横浜市営地下鉄ブルーラインの舞岡駅の改札前に13時。参加者は20名で、1人の方は小さなお子さん連れのお母さんでした。主催者より本日の行程の説明があり、各自簡単な自己紹介を行いました。
舞岡駅は、各駅停車のみの停車駅で、横浜駅から約25分のところにあります。戸塚駅からは一つ目です。ちなみに、舞岡公園までは約1.8キロ(徒歩25分)です。
舞岡駅1番出口から地上へ。数軒のお店の前を過ぎると、いきなり田園風景が広がってきます。歩道の脇にはずっと水路があり、途中には水車小屋がありました。ここは「舞岡町小川アメニティ」という名前が付いています。草木はまだ枯れた状態ですが、ところどころには梅の木があり、花を咲かせていました。もうすぐ春だなぁと感じながら先へ進みます。余談ですが、この先は一軒もお店がありません。飲み物などの準備をお忘れなく!
最初の立ち寄りスポットは、こちら舞岡八幡宮です。舞岡の地名は、古くは「腰村」と呼ばれていました。鎌倉時代の乾元元年(1302年)、白旗が空に舞うという奇瑞が起こったのに因み、村名を「舞岡」と改めたそうです。その際に、石清水八幡宮を勧請し「舞岡八幡宮」が創建されたと伝えられたとか。
今回は時間の都合で、境内までは上がりませんでしたが、約50段ほどの階段を上った先に境内があります。そこには、樹齢は240年の横浜市「名木古木指定」のイチョウがあるそうです。また、毎年4月15日の祭礼では、「湯花神楽(ゆばなかぐら)」が行われます。
ここで最初の集合写真を撮って、先へと進みます。
舞岡町小川アメニティは、舞岡駅からこの後行く「舞岡ふるさと村」の田園地帯を抜け「舞岡公園」に至る歩道沿いのせせらぎ空間の名称です。途中にはあずまやのある水車や休憩所もあります。平成5年度(1993年度)に完成しました。
途中、水の中に鯉がいたのでみんなで覗き込んでしばし休憩。周辺のゴミや水に浮いていたペットボトルなどを回収して、先へ進みます。
虹の家は、横浜市より地域指定を受けた「舞岡ふるさと村」の総合案内所として、平成9年5月に開館した施設です。館内では横浜市の支援を得て、ふるさと村の自然・農業の展示や年間を通して体験教室や地産地消にこだわった料理教室・自然観察会の実施、研修室・調理室・展示コーナーの利用貸出等を行っています。
今回は立ち寄りませんでしたが、疲れたらここで休憩出来ます。しばらくトイレがないところを歩くので、こちらで済ませてから進みましょう。
「虹の家を」過ぎたあたりで右に曲がる道があり、いよいよ舞岡ふるさとの森へ向かっていきます。竹林に囲まれる里山の中へ入っていきます。途中にある住居を見ると昔は茅葺き屋根だったのが見て取れます。畑には一際背の高いポールが立っていたのですが、鯉のぼりのためのポールのようです。この竹林に囲まれた場所で、きっと5月には優雅に大きな鯉が大空を泳ぐのでしょう。
さらに進み一瞬だけ舞岡ふるさとの森へ入り、ここでは分岐を左折して里山を下り住宅地へ抜けていきました。その途中、果実園があったり、市民利用型農園がありました。舞岡ふるさとの森は、舞岡川の源流域に広がる自然のままの森です。
しばらく原風景や自然が残るエリアを歩いたのち、いったん住宅街へ出てきました。先ほどの舞岡町小川アメニティにまた合流し、しばらく小川沿いを歩きます。途中、市民利用型農園や「シェア畑 戸塚舞岡」があり、土曜日ということもあり多くの方が農作業をされていました。すると電柱にそのシェア畑にペットの亀を連れて行ったら見失ってしまい探していますという貼り紙が。これだけ自然がある場所なので、見つからないだろうなぁと話しながら、外来種なので生態系への影響も懸念しつついよいよ舞岡公園へ向かいます。
舞岡公園に入る少し手間にある古民家を移築したという休憩所です。畳が敷かれた『瓜久保の家』の壁には、舞岡公園内の様々な情報が掲示されています。2月~3月にかけて綺麗な梅の花を見ることができるらしいのですが、今回はまだ少し早かったみたいです。また、敷地には『瓜久保の火の見櫓』が建っているので目立ちます。
『瓜久保の家』を過ぎると木々に囲まれた広々とした田んぼが目に入ってきます。その周りには電線や鉄塔などもなく、広い青空が広がっていました。みなとみらいから電車で約20分しか離れていないのにその差に驚くばかりです。そしてここを過ぎたあたりに、舞岡公園の北門があります。野生動植物の保護及び自然環境の維持のために、開園時間が定められています。《夏(4月〜10月)8:30〜19:00、冬(11月〜3月)8:30〜17:00》
舞岡公園の北門をくぐるとすぐにずらーっと急に人だかりが。みなさん三脚を立ててデカイ望遠レンズを装着したカメラでなにやら狙っています。このエリアでは様々な種類の野鳥が生息しているそうで、鳥が移動するとそれを追いかけるように全員一斉に動く様がおかしくて、我々は野鳥もですが野鳥の会らしき方々の行動も追ってしまいました。この先に、やとひと情報館や精米の際に利用される水車小屋がります。
さらに奥に進むと右手に『きざはし池』が見えてきます。そこを右に入っていくと『小谷戸の里』があります。昔ながらの田園風景や横浜の特徴的景観である谷戸の地形を生かし、市民が“ふるさとの景色”の中で農体験や自然観察を楽しむことができるように整備された利用拠点です。
指定管理者の現地事務局、ボランティア作業時に使用する作業棟・耕作棟、ボランティアの方の手作り品を販売する「舞・小谷戸屋」、広場などがあります。そして奥には、明治初期の古民家(旧金子家住宅主屋)が移築復元されています。この古民家は、平成7(1995)年度の横浜市認定歴史的建造物に選ばれました。
土間には実際に利用できる竃があり、薪で火が焚かれていました。建物内には立派なひな人形が飾られていたり、囲炉裏もありました。庭先では竹とんぼやコマ回しをしている親子もいました。毎月、季節によって様々な行事が行われているようです。なお、飲食物の販売や自販機はありません。
2021年の桜シーズンの舞岡公園の様子を撮影してきた動画を2本アップしました!新型コロナ感染症拡大防止のため、宴会を伴うお花見は禁止されていたこともあり、例年と比べると人も少なく落ち着いていました。飛行機が飛来する時以外は機械音などの人工的な音が皆無なので、鳥のさえずりやそよ風の自然の音が心地いいです。
春には動画のような桜が咲き、初夏の新緑のシーズンになると田んぼの稲穂が青々となびく様子や、秋の紅葉シーズンになれば黄金色に輝きます。そして紅葉は見事な紅葉に。冬は越冬する渡り鳥を撮影に多くの方が訪れます。1年を通して自然を満喫できます。行かれたことがない方は一度ぜひお出かけください。子供連れが気持ちのいい春の陽気を楽しんでいたり、都市部と違ってコロナ禍でも自然の中で子供たちが元気に遊べるのはとてもいいですね。
『小谷戸の里』で少し休憩したのち、少し引き返して舞岡公園内をしばらく散策しました。途中一風変わった稲刈り後のはざかけの一種のようなものが気になりました。北門まで戻り、さくらなみ池の横の遊歩道を通り、ばらの丸の丘を目指します。
しばらく細い遊歩道を歩いて登ると一気に開けた丘に出ました。広場を囲うように、サクラ、クヌギ、ケヤキなどの樹木が植栽されています。このエリアは、先ほどの門の外にあるため終日訪れる場所になっています。朝晩、愛犬連れの人たちで賑うそうです。春先には家族連れでお弁当を持ってきてピクニックするのに良さそうです。向かい側の丘の上には、明治学院大学横浜キャンパスが見えました。
『ばらの丸の丘』を通り抜けると、『もみじ広場』に出ます。ここは、周囲に各種のカエデが植栽されているそうなので、紅葉の季節はきっと綺麗なんでしょうね。そこを抜けると舞岡公園から出ます。出たところにある道路はかつて鎌倉とどこかを結ぶ重要な役割を担っていたという説明をされていたような、、、さらに次へと進みます。
芝生のスペースを活用したバーベキュー場などもある2014年6月にオープンした新しい公園に着きました。事前予約で、手ぶらでバーベキューを楽しめる設備が整っています。広場だけでなく、レストハウス内にもイスやテーブルがあり、自由に使うことができます。ベビーチェアもあるので、小さなお子さんと来ても安心です。
綺麗なトイレや自動販売機もあり、持参した軽食をつまみながらしばし休憩しました。今回の全行程の約半分の距離のところにあり、この先1番の難所を経てゴールの上永谷へと向かいます。その前にメンバーで集合写真をパシャり。
『小菅ケ谷北公園』の広場の奥にある急な階段を上ると、手付かずの自然の中を散策できる『散策の森ゾーン』が広がっています。サイトによるとまだ整備中のため公開されているのは一部と書いてあります。実際にも整備されて歩きやすいところと、まだ整備中と思われる場所もありました。今回の散策の中で一番の難所で、一番森深い場所です。
しばらく『散策の森ゾーン』を歩き自然を体験します。途中62年も建設が止まっている、横浜市の環状2号線(港南区丸山台一丁目)から藤沢市の国道134号(鵠沼海岸一丁目)に至る延長約14.3kmの『都市計画道路横浜藤沢線』の建設現場の端を横切ります。しばらく歩くと『小菅ケ谷北公園』を完全に抜け、また農地に囲まれた道路に出ます。
『小菅ケ谷北公園』を完全に抜け、また農地に囲まれた道路に出ます。ここはかつて鎌倉から弘明寺まで人が行く際に通った『弘明寺道』だそう。庚申塔は街道沿いに置かれることが多く、村の境目に建立されることもあったとか。庚申塔には、「左ぐみやうじへ、右かまくらみち」と書かれていて道案内の役目もしていました。また、馬頭観音は馬とともに生活する当時の人々が馬の無病息災を祈る民間信仰の一つとして置かれることが多かったそうです。しばらくお話を伺った後、次へ進みます。
日限山と野庭の間のちょうど谷底の境にある場所に出ました。ここにはかつて馬洗川がもっと太く流れていた支流。今は田んぼとそのための水路程度の場所になっていました。
しばらく道なりに歩き三叉路のような場所に出ました。ここも道の分岐点になっており、庚申塔が置いてあります。そこから、先ほど外れた弘明寺道に合流する方へ進みます。
何だか怪しい神奈川県警察野庭分庁舎の土地を横目に進みます。建物の屋上には大量の警察車両が見え、原っぱにはナンバープレートが外された押収車両と思われるものがズラリと並んでいて異様な光景が。それを見なかったことにして先に進むと、閉校した神奈川県立野庭高等学校が見えてきます。(2003年に統合により廃校)ドラマ「仰げば尊し」のモデルで、この高校のブラスバンド部を描いた実話でした。元サックス奏者の樋熊迎一が、荒廃した高校の吹奏楽部の顧問となり、問題児らと向き合いながら、“音楽の甲子園”で全国の頂点を目指すというものです。
さらに進むと、野庭団地が見えてきます。この一帯はその昔、村のあざ名を深田町といい、この高台を関城跡と呼んでいました。団地がつくられる前は畑でしたが、ここに関城という城があったといわれています。源頼朝が幕府を開くと同時に奥州方面へ抜ける道として鎌倉古道が日限山に通じていました。関城は和田義盛が源頼朝の命により鎌倉の北の守りのために創られたそうです。かつては、物見やぐらのあとが残っていたとか。
そんな歴史を解説を聞いた後、道路の開通していない上をまたぐ『ひまわり歩道橋』を通ります。ここは、先ほど見た『都市計画道路横浜藤沢線』です。この歩道橋は2009(平成21)年6月に完成。この道路が開通する日はいつになるのかと思いを巡らしながら馬洗川へと進みます。
先ほどの野庭高校あたりから上永谷車両基地の区間の馬洗川は、『馬洗川せせらぎ緑道』と呼ばれる遊歩道が整備されています。煉瓦を敷き詰めた遊歩道と、水辺に沿うボードウォークはウォーキングに最適です。歩道から川べりへ降りることもできるようになっています。蛙やザリガニなど水生動物のいる美しい川は、子ども達にとっては昔から格好の水遊び場です。
整備された『馬洗川 せせらぎ緑道』を端から端まで歩きます。約1.5km程度の短いコースで、ゆっくり歩いて20分程度。川を挟んで対岸には梅畑があるのですが、まだほとんど咲いていませんでした。
少し進んだところに川を渡れる橋がかかっていて、渡った先には湧き水が沸いています。水質に関してはわかりませんが、かなりの量が湧き出ていました。遊歩道の上から参加者をパシャり。
しばらく進むと、ボードウォークゾーンから煉瓦を敷き詰めたゾーンに変わりました。この辺になると両側とも家やマンションが建ち並び、自然が多いエリアから街に入ってきたことを感じます。
1980年(昭和55年)に舞岡上郷線を繋ぐ谷をまたぐ橋として完成しました。これにより、日限山と野庭の丘同士が繋がり、往き来が可能になりました。我々はその下をくぐり先へ進みます。
天谷大橋をくぐると、川面をカモがのんびり泳いでいたり、白鷺が水辺でくつろいでいました。運が良ければカワセミの姿を見る事もできるそうです。川べりへ降りて行く階段が整備されていたり、ベンチやあずまやがあったり、川辺でゆっくり過ごす事が出来ます。そして横浜市営地下鉄の上永谷車両基地が見えてくると『馬洗川 せせらぎ緑道』も終盤を迎えます。
『馬洗川せせらぎ緑道』の終点に着きました。改めて馬洗川や鎌倉古道の説明を伺いました。まだしばらく馬洗川に沿って歩きますが、ここからは完全に一般車道を歩いてへゴールの上永谷駅へラストスパートです。
上永谷車両基地を過ぎると、『馬洗川せせらぎ緑道』の終点です。この先も馬洗川が流れていますが、ここからは一般的な車道になっています。『馬洗橋』まで歩き、そこに新たにかかる歩道橋を渡り、上永谷駅に到着です。
お疲れ様でした!今回のゴールの上永谷駅に着きました。ここでみんなで拾ったゴミを分別してまとめました。主催者より今回の総括と今後の活動予定についてのアナウンスがありました。そして参加者全員に参加賞としてバブが配布されました。舞岡、小菅ヶ谷北の自然、野庭永谷の自然を両方堪能し、この地域の魅力特徴について触れる機会になりました。そして最後にみんなでパシャり。ここで解散。その後、懇親会に参加するメンバーは会場へGO。
上永谷駅は、日中の快速列車も停車する横浜市営地下鉄ブルーラインの駅です。車両基地があるため、当駅始発、当駅止まりの電車が設定されています。また、南側の駅前(出口1)は羽田空港へのリムジンバスや路線バスのターミナルになっています。南側駅前はイトーヨーカドーや商店街があり栄えています。7月には、上永谷駅前 夏祭り(絵提灯点灯&商店街グルメ&和太鼓演奏)が開催されるなどとても便利な駅です。
今回はぐるっと鎌倉古道や弘明寺道にほぼ沿う形で長い距離を巡りましたが、いかがでしたでしょうか?場所によっては、最寄駅からは離れている場所もありますが、バスなどを活用すれば比較的どこもダイレクトにアクセス出来ます。これから春を迎えて、桜や新緑の季節ですね。ぜひ、ご家族や愛犬と一緒に出かけてみては?桜の時期の舞岡公園の様子は、横浜の桜の名所やお花見スポット特集のページでもご紹介しています。合わせてご活用ください!