こちらでは、2019年10月26日にテレビ東京の『出没!アド街ック天国「横浜 黄金町」』で紹介された場所やお店を、地元ハマっ子がどのサイトよりも詳しくご紹介します。スマホからワンクリックでその場所のGoogle Mapが起動するリンク付きです。マップには、番組で紹介されたスポットをプロットしてあります。それぞれの場所の位置関係を把握するのにご活用ください。また、地元ハマっ子ならではのとっておきの追加情報もお見逃しなく!なお、アド街で放送されたその他の横浜エリアについてはページ下部のメニューよりご覧ください。
黒澤明監督の「天国と地獄」(1963年)の中で「地獄の街」と描かれた横浜の最狂の暗黒街。麻薬と売春にまみれた闇の世界(違法風俗店、麻薬地帯)。当時を知る地元民は、「裏通りは怖くて歩けなかった。泥棒 助けてー!待て こら!とか年中聞こえますから」「ピストルで撃たれたりとか(ピストル銃撃事件)いう事件があって、ああ、やっぱり怖いんだなって。」と振り返ります。ぶっちゃけ当番組も24年間怖すぎて出没できずにきましただそう。しかし、市の浄化作戦が進み、今はクリーンになったということで、ようやく横浜 黄金町に初出没です。
違法なお店が連なっていた場所は、今どうなっているのか。さらに街の様々の歴史を見てきた老舗を探訪。ハマっ子に愛される伝統の味に(古き良きハマの歴史)、渋くてかっこいいハマの文化(横浜ディープカルチャー)にも出会います。横浜黄金町に初出没。街の変貌ぶりを目撃してください。今回出没する横浜黄金町は、横浜市中区京急の黄金町駅と日ノ出町駅の間、大岡川沿いに広がるエリアです。今回は黄金町駅と日ノ出町駅周辺にスポットを当てます。ということで、本日のテーマ。生まれ変わったディープタウン「横浜 黄金町」。
ゲストには、シンガーソングライターの泉谷しげるさん、東大出身のミュージシャンのグローバーさん、元TBSアナウンサー吉川美代子さんといった、横浜で生まれ育ったゲストをお迎えして放送されました。横浜の回はゲスト一人以外は固定になってきましたね。
今回はハマっ子でも最近まで踏み入れることはなかったエリアです。とても特殊な場所で番組も初出没ということで、今回はいつものアド街とはちょっと違い、お店などの紹介より、地域一帯の変遷にフォーカスしています。いつも以上にスタジオトークが多く、番組を見て多くの方が遊びに出かける情報を得るというのはいつもより薄いかもしれません。これからのさらなる発展が期待される街なのです。なお、今回取り上げられた場所から外れると、ちょっと治安的に不安な地域もあるので、一人歩きや訪れる時間帯にはご注意ください。
なお、あくまで番組で取り上げられたものをそのまま紹介するもので、個別のお店や場所を推奨・宣伝するものではありません。また、情報はページ作成時点のものですので、実際に行かれる際はそれぞれのお店や施設に直接ご確認の上お出かけください。黄金町に遊びにきたついでに、どこに行こうか迷ったら本サイトのイベントページや他のページもぜひご覧ください。遠方から来られる方は、様々なお得な乗り降り自由な乗車券をぜひご活用ください。
番組で一番最初に取り上げられたのが、第20位「シネマのような街並み」。番組冒頭で「ぶっちゃけ当番組も24年間怖すぎて出没できずにきました」とあったように、昔は無法地帯と言われていた黄金町。闇の中に埋もれていた建物は今でも独特のムードを醸すため様々な映画のロケ地になっています。(黄金町周辺で撮影された映画:「私立探偵 濱マイク」シリーズ、「ザ・ファブル」、「影に抱かれて眠れ」など)錆びたトタンに木製の電柱。おしゃれで可愛い街とは真逆のかっこよさで映えると人気になっています。
この街でよく見かけるのが、小さな引き戸の入り口がいくつも連なった長屋。ここではかつて違法風俗店が営業していました。1995年頃の黄金町を撮影した写真家 山田秀樹さんの作品(2018年開催 MZ arts 企画展「黄金町夜曲」)には、違法とは言え、生きる術がここにしかなかった女性たちの切なさが映し出されています。「もしかして戦後ってこんな感じかなと思わせる。ピンクとかの電飾がギラギラして不思議な感じがしました。」とコメント。今も時折街を訪れて撮影。変わりゆく街を記憶に留めます。
番組では2005年頃のまだ無法地帯だった当時の映像を織り交ぜて流していましたが、ハマっ子なら誰もが知る本当に近寄り難い場所でした。番組のゲストの皆さんも声を大にして「信じられない!」と何度も言ってましたが、現在の変わりぶりは奇跡的です。とはいえ、まだ何となく緊張感のあるエリアなので夜はあまりオススメしません。
かつて違法風俗店だった建物に若者たちが続々と入っていく場所は、鴻井建三(こういけんぞう)さんが12年前の2007年4月に設立したおはじきサッカー協会。中を覗いてみると、何かのゲームの真っ最中。イギリス発祥のテーブルゲームで、1対1で攻守に分かれて対戦。人形の乗ったおはじきを指で弾いて移動させ、ゴールを狙います。2年ごとにワールドカップも開催。競技人口は世界に約500万人です。
黄金町のチーム 横浜OSCは日本グランプリ7連覇中。そんなチームのダブルエースは岡野一樹くん(15歳)と加藤大智くん(15歳)。ワンツーパスからのゴールを決めるシーンが流れました。2019年10月現在、世界ランク16位の二人は日本人チーム初のワールドカップ優勝を目指しているとか。
ここは横浜OSCの拠点なので、一般の人がおはじきサッカーを遊べるわけではありません。入門講習会などの申し込みはsubbuteojapan@gmail.comまで。横浜OSCは小中高校生が多いそうです。
京急線黄金町駅の脇に延びる薄暗い路地にある、お好み焼きともんじゃのお店です。ここで25年営む店主(浅野伸一さん)は、生まれも育ちも黄金町。昔の黄金町について聞いてみると、「血塗れの人がなんか寝たりしてて、ちょっと怖いなって感じはありましたね。」とのこと。街は変わりましたか?の問いには、「だいぶ変わりましたね。お店の雰囲気もやっぱ明るくなった感じはありますね。」だそうです。
街が闇から脱出し、ファミリー客が増加。今や女子会まで開かれています。お店のムードも明るくなり、メニューも多様化。最新作は、豚骨ラーメンのようなもんじゃ(豚骨もんじゃ 880円)。黄金町の新たな名物となって新しいお客さんを呼び込んでいますと紹介されていました。
ちなみに、お店イチ押しの粉亭名物は「粉亭焼」。じっくり煮込んだ特製の牛スジのもんじゃとお好み焼。もんじゃ初心者には、もんじゃ名人が直伝してくれるので安心です。
開港都市横浜にはやはり洋食店が欠かせないということで紹介されたのが、メニューに独自のセンスを盛り込むシャルドネ 。例えばミラノ風ハンバーグ(920円)。本場ミラノにはないメニューですが、主人の真意は。「イタリアのミラノが金融の街ということで、やっぱし黄金、色もチーズで黄金に見立てて、ていう感じですね。」と笑いながら回答してました。
ナポリタンには、目玉焼きとコイン型にカットしたナスをトッピング。その名も「黄金ナポリタン」(880円)です。店主によると「目玉焼きの黄金色とナスのコイン。コインっていうか黄金っていう、あの〜、ね?」とちょっと苦し紛れ。食べれば金運アップしそうな黄金町の名物です。
ここでまた、第20位で登場した写真家 山田秀樹さん撮影の、昔の黄金町の映像が流れました。そんな違法なお店が一掃された黄金町に、近年おしゃれな空間が次々と誕生。高架下にも新たなショップが並び、街が明るく変わり始めています。Tinys Yokohama Hinodechoは、2018年、高架下にオープンした、ホステルやイベント・カフェラウンジを含む複合施設。番組では、カフェ&バーラウンジでランチに食べられる、チーズハンバーガープレート(1,050円)が紹介されました。
6年前にオープンしたパティスリー。シェフは洋菓子の聖地フランス・アルザス地方で修行しこの地で出店。これを機に初めて黄金町にきた店主(千葉県出身 飯田健さん)は、「最初ちょっと怖かったんですけど、(地元の方は)みんな温かいし、よくコーヒーとケーキを食べに来てくれる」と話してました。
お店に来ていた常連さんは、「しょっちゅう彼に『どう?』『暑いね』とか話す。『お客さんいるかしら?』とかね。親になった気持ちで。」と地元の皆さんも新たなお店で和みます。そんなお客さんのリクエストで生まれたのが、ラムシロップが効いたサバラン(450円)。別添えのラム酒を好みで垂らせば、さらに風味が増します。
余談ですが、ストラスブルジョアは自前のウェブサイトがあるようなのですが、ウィルス・セキュリティ対策ソフトが危険と判定してアクセス出来ない場合があるため、あえてfacebookのお店のページにリンクを張っています。ご注意ください。
昨年2018年にオープンしたばかりのラーメン店「かつら」も新しい人の流れを作っています。暗黒時代の黄金町を噂で聞いていたご主人(横須賀出身 石岡俊一郎さん)に今の街は?と尋ねると「人が多いのにちょっとビックリしました。街のイメージは明るいイメージです。」と回答。お店のスープは、豚骨なのに澄んでいる豚骨清湯(豚骨清湯拉麺 750円)。これから流行ると言われているニューウェーブ系で街を盛り上げます。
峰竜太さん(50年ぶりに行ってみた):「50年近く前になるんですけれども、ちょうど電柱広告を取り付けていた頃、昼間も開いているんですよ。つい最近行ってみたら、まったく違う街になってた。もうだって、黄金町バザールなんて言って展覧会とかやってるんですよ。もうまったく違います!」と声が裏返るほど力説してました。「いやでも、よくあそこまで再生したな、と。だから本当に良い街になりました。あ、まだ良い街に、これからもっと良くなる。まだ成長過程。」「それを今見ておくのがいいですね」とイノッチ部長が締め括ってました。
泉谷しげるさん(街の再生イベントに参加):「つい10年ぐらいまでイベントを何度も。映画館があるんですよ。ジャック&ベティっていう。これが素晴らしい映画館でね。そこでイベントを何度もやった。まぁ、でも黄金町自体は黒澤映画の「天国と地獄」を見てから、まさかこんなところ日本に無いだろうなんて思って、そんなバカな作りもんだろう、って行ったことあるわけですよ。10代の時。本当にそうなんだよ。驚きますね。熱量半端じゃ無いですよ。悪い事の暗黒の熱量みたいなもの。いきなり頭突きかまされますからね。それで金よこせですよ。これがああなっちゃうんだからもう信じられないですよ。峰さんじゃないけれど。」
吉川美代子さん(京急線の上大岡出身):「私は、親子三代横浜で、しかも京急の上大岡で生まれ育ってるから、それなのに黄金町駅だけは絶対降りちゃいけない街って言われてました。京浜急行の車窓から黄金町あたり全部見えるんですけれど、車窓から見える風景自体がちょっと怖いなっていう感じだった。」「今こうやって怖いって言えるのは今は違うから言えるって話ですよねと」イノッチ部長が言うと、スタジオのみんなが大きくうなずいてました。峰さんが「もう昔話ですからと。」と付け加えてました。
グローバーさん(黄金町でアート鑑賞):「私、大学は美術史を勉強していて、美術好きになって、で、クリーンになってからの黄金町はアート見に結構いってるんですよ。高架下がね、それこそマグマみたいな。あの狭い部屋全部にギャラリーだったり、アーティストだったり、アトリエがあるんで。もうお互いがね、隣が何やってるのかわかるじゃないですか。作りかけのものとか、グツグツやってる感じがかっこいいんですよ。面白いですよ。高架下。」
薬丸裕英さん(ドラマの撮影で行った):「以前、ちょっとロケで行ったことがあったんですけれど、こんなに変わったんだって言うのが、この京急高架下「かいだん広場」。前はここは、足を踏み入れてはいけない場所だった訳ですよね。いけない場所が、その地元の方が頑張ってすっごいクリーンな街になって、今ではこのかいだん広場と言うところで、子供たちが遊ぶようになった。まさに平和になった黄金町の象徴みたいな場所ですね。」
山田五郎さん(街に詳しい):「この黄金町というのは、アートで街を再生したそのモデルケースなんですよ。戦後の焼け跡バラクが逢瀬になって、またあそこ高架下と川が並行しているんです。だから高架下と川に違法に舟でいろんな営業やっている人たちが集まって、戦後60年荒れっぱなしだった訳ですよ。それで2000年代に入って、地元の住民の人たちが、なんかアーティストに住んでもらう。だからあのシネマの映画みたいな街並みが、逆にアートじゃんみたいな。逆にクリエイティビティ刺激するじゃんみたいなということで、住んでもらったりして。で、そこでいろんなアートイベントやって。アートでこう街を生まれ変わらせていった一つの成功例なんですよね。」
35年続くホルモン焼きの名店。店内は煙りモクモク霞んで奥がよく見えません。煙が目に染みても我慢できるんですと常連客。煤けた壁や天井も味のうち。真っ黒で判別不能ですが、サインが並んでいるようです。その一つを掃除してみると、なんと、あの陸上選手ベン・ジョンソンでした。ニンニクと特製ダレに漬けたガーリックハラミ(605円)は、オニオンチップをつけて味わいます。
締めのお約束は、辛さが選べるカルビクッパ。20倍辛い横綱は地獄・救急車レベルだそうです。店長の落合昭博さんいわくかなり辛い。基本「大関」くらいでやめた方がいいとのこと。超危険なので、超限界レベルの大関を番組では注文。作り方を見ていると、オリジナルブレンドの激辛等辛子大量投入(4杯)。さらに、容赦無く激辛等辛子パート2を4杯。とどめに4種類のスパイスを混ぜた秘密の激辛ペーストもたっぷりと。クリーンになった街に唯一残る危険と地獄がこれ。カルビクッパ大関(770円)。辛さの無法地帯に悶絶します。
半世紀続くお蕎麦屋さん。映画に出てきそうな、ザ・昭和な空間。品書きに並ぶのは、全国各地のご当地蕎麦やうどん。かつて昭和30年代、地方から横浜港に全国から出稼ぎに来ていた港湾労働者たちが、故郷を思い出せるようにと揃えたそうです。「岩手県南部名物 けんちんうどん(850円)」や「会津名物 つけなめこそば(850円)」が流れました。
そんな優しいご主人(井戸川 光夫さん 80歳)は、街の闇に立ち向かった一人です。ある時は風俗店で働く女性がトラブルに遭い、暴力団の男に追いかけられ店に逃げ込んできました。この街に生きたハマっ子はこんな時も臆することはありません。女性を守り、反社会的勢力に対抗、男を追い返します。「まぁ、結構柄の悪い人もいたしさ。怖いってことはないよな。怖かったら商売できないもんな。」と振り返ってました。
昭和ムードが色濃く残る街のパン屋さん。昭和12(1937)年に初代が和菓子屋を創立し、のちにパン屋に転向。今では「ここのパンでなければ...」と横浜中から馴染みのお客さんがやってくる。お店は今年で創業から82年で、2代目の米沢弘志さん(80歳)はお店とほぼ同い年。真面目に作ってきた食パン(ゴールデンブレッド1斤290円)は耳まで美味しく、近隣の飲食店でも愛用されています。
カメヤの看板娘は2代目の奥様、米沢彈野(たまの)さん。「パンが好きで結婚しちゃったの。1年好きなパン食べて1年は文句無かった。」そう。結婚して50年、パン好きな奥様一番のおすすめがアップルパイ(1,200円)です。この美味しさであなたの家庭も円満かもしれません、と結んでました。
路地で行列を作る人気の、もつ料理が絶品と評判の台湾料理店。豚の胃を塩や酢なので炒めた(チート豚の胃袋 650円)が人気です。さらにニンニクをパタンと叩いて作る冷たい中華麺、その名も「パタン」600円。病みつきの絶品ですが食べたら商談やデートは厳禁です。現在は、3代目が切り盛りする。余談ですが、テレビ東京「孤独のグルメ Season3」の第2話「横浜市日ノ出町のチートとパタン」でも看板メニュー「チート」と「パタン」が取り上げられていますよ。
第一亭の2代目主人(中山政彦さん)が2階にオープンしたオーストラリア産ワインバー。ご主人は、横浜の街をテーマに曲を作り続け、その数60以上。その歌を時折、第一亭で披露していたが、今年の7月にバーをオープンして以来、連日、自分専用のライブバーで思いきり熱唱している。さらに、週末には第一亭の開店を待つお客さんのために、感謝を込めて路上ライブを行う。その開演が16時頃です。以前のアド街の野毛の会(2012年放送)では街の新名曲「野毛飲んだくれブルース」を制作して、新薬丸印に選ばれていました。バーとしては珍しい少し明るめの店内です。
第11位の「バイバイ作戦」は、黄金町がどうして無法地帯になっていき、いかにしてクリーンアップしてきたかの歴史を振り返ります。勉組では、暗黒時代の黄金町の姿を捉えた衝撃映像を発見ということで、色々と当時の貴重な映像が流しながら詳しく解説。黄金町が暗黒街となったのは戦後の混乱が原因でした。昭和20(1945)年、横浜大空襲で街が壊滅。(横浜市史資料室所蔵の写真)
昭和37(1962)年のニュース映像では、「横浜市黄金町のガード下。ここは世界に悪名高い麻薬銀座で、横浜新名称のひとつになっている。」と流れ、さらにバスガイドが「ただいま通っております、この右手一帯がアヘン窟。この言葉で知られている黄金町でございます。」と車内で解説している様子が映し出されました。横浜でも特に空襲の被害が甚大だった一帯はスラムと化しダークな街に。
やがてその悪と対峙したのが、町内会長だった谷口安利さん(街の環境浄化を行った元初黄金町内会長)。「バックに組織がついているので我々も(住民も)、入ってこられなくなった。『なんだお前!』としょっちゅう言われた。」そうです。
我々の街を取り戻すということで、2002年地元住民の反撃が始まります。風俗営業拡大防止委員会を結成し、街を巡回。法務大臣や神奈川県警への陳情も繰り返しました。その活動が実り、県警が2005年に「バイバイ作戦」を発動。違法店舗が激減するに至ったのです。
怪しいネオンが照らした建物も一新されます。(看板やテントを排除)かつての違法風俗店が今やアートな空間に。アーティストのアトリエやギャラリーに改装され、アーティストたちの活動の場に生まれ変わったのです。ニューヨークのチェルシーやベルリンのミッテのように黄金町はアートの街として進化していきますと締めくくっていました。
この壮絶な作戦を見て、スタジオでは泉谷さん「いやぁ…」、グローバーさん「バイバイ作戦て「バイバイ」で出て行ってくれる訳ない訳ですよね。相当の緊張感ありましたね。」、イノッチ部長「本腰入れてやってますよね。警察まで。」、吉川さん「街の人も命がけだったでしょうね。」と第一声。
泉谷さんが続けて、「自分は10年前だったんだけれども、本当にねぇ、あのうアートの連中と映画とかなんとかやってたんだけれども、警察うろうろしてるんですよ。まだ10年前だと残ってた。だから目が合っちゃたりしてね。ネェちゃんと え、ええぇみたいな。客かと思ってる。とにかく俺のキャラはさぁ、黄金町の連中たち(悪い人)にやたら好かれた。なんか同士が来たみたいな。」と当時を振り返ってました。
グローバーさんは、「私もアート好きだからあの辺歩きますけれど。やっぱクリーンになってからのイメージだけど、なんか緊張感はあるんですよ。」と言うと、イノッチ部長が「まだ残ってるんですか?」のツッコミに続けて、五郎さんが「それは逆にいいよね。創作にとっては。」「そうアーティストには良い」と返され、峰さんは「感性を磨けてね。」と付け加えてました。
この感覚はよくわかって、黄金町の違法なお店は無くなって新しい場も生まれてきてはいるけれど、街全体が持つ空気感はまだどこか当時の名残のような感覚があります。土地勘のない方は、夜な夜な一人歩きはちょっと怖いみたいな…
野毛山の恵。生活用水として活用されています。関東大震災では非常用水として多くの命を救いました(現在 飲用は不可)。
現地の看板には、「この湧水は歴史的に由緒あるもので、古くから地域の生活用水として広く利用されてきました。幕末・明治期に開港場横浜は段階的な埋め立てによって造成されました。そのため埋立地である関内・関外などでは良質な水を確保することが困難でした。
一方、野毛山の裾野に位置する日ノ出町周辺は、自然の湧き水に恵まれた地域で、明治の初めごろから、湧水を利用した民間の給水業者が活躍し、横浜港に寄港する船舶に飲用水を提供していたと云われています。
この湧水も野毛山が水源と考えられ、起源等は明らかでありませんが、これまで確認された限りでは、東小学校の脇から現在地まで、地中に埋設された鋳鉄管を通じて導かれています。
近年では、周辺環境の都市化が進んだ影響もあり、清浄な水質が保てないため、飲むことが出来ませんが、災害時等には飲用以外の生活用水としての利用は可能です。(日ノ出町町内会 中区保健所衛生課 中区総務部地域振興課)」と記されています。
黄金町というゴージャスな地名。この周辺には、日ノ出町・黄金町・長者町・福富町・末広町・不老町と、なぜか縁起の良い地名が揃っています。かつて大岡川の東側は入江で(1667年頃 入江を埋め立てて吉田新田を開発)、江戸時代初期に埋め立てられた土地。明治に入り新たな時代にふさわしい縁起を担いだ町名がつけられたのです。
映画のロケにも使われるレトロな喫茶店。終戦直後、旅館として創業。現在の2代目(マスター 片岡孝夫さん)が喫茶店に鞍替えして35年になります。店内には古いソウルミュージック(Let's Stay Together - アル・グリーン)が流れており、マスターのコレクションが貼ってあるお店でいただける昔ながらのナポリタン(650円)は、ハマっ子たちのお気に入りです。
マスタは「1967年くらいに初めてソウルミュージックに触れて。ジュークボックスから流れてるのね。それでいきなりハマりました。」とのこと。そんなマスター、実は「フリーチャチャ」のパイオニア。二十歳の頃、石川町のバーで見たアメリカ兵のダンスをアレンジし、それが横浜中でブームになったのです。(I'll Be Around - スピナーズが流れる)現在も直々に習いたいという声に応えてレッスンを開催。伝説の華麗なステップに出会えます。(フリーチャチャ教室:コーヒー代のみ《要予約 17時以降開催》)
昭和6(1931)年から続く精肉店です。ブランドの豚や牛を全て一頭買いしていて、馬車道の「勝烈庵」など、横浜の名店がこちらのお肉を愛用。創業からの名物は、炭火仕込みの「焼き豚」。秘伝のタレに一晩漬け込んだ肩ロースは、贈答品としても重宝されています(焼き豚 1本 3,000円〜)。
スタジオでは、焼き豚の丼を試食。スタジオ中「とろけるなぁ」「めちゃめちゃうまい!」「歯応えもしっかり合って、旨味もギューギュー出てくる」「このチャーシュー食べたら他のは食べられないかも」と大絶賛。最後に「これやばいよ。ほんとヤバい。病みつきだよ」とイノッチ部長のコメントしてました。
みんなが夢中になった焼き豚が当たる横浜黄金町駅クイズ。この街のシンボルでもある大岡川。ここで今とある遊びが流行っています。それは一体何でしょう?①スキップ、②サップ、③ストリップ、というのが出題されました。正解者の中から抽選で5名様に「小川畜産商会」の炭火焼き豚をプレゼントというもの。もちろん正解は②サップ(SUP)です。
街の鎮守。創建は1400年ほど前の推古天皇の時代と伝わります。縁結びの神、御祭神 大国主命(おおくにぬしのみこと)が祀られます。大国主命は命の危機をネズミに救われたという神話から、ネズミを眷属(けんぞく)とし、「子神社」と名付けられました。しかし、社殿の前に鎮座するのは狛犬(こまいぬ)です。
昭和27(1952)年に開館した「横浜名画座」の歴史を受け継ぐミニシアター。一度は閉館したものの、現在の支配人 梶原俊幸さんにより復活。映画館の楽しさを伝えようと改革に挑みます。女性をターゲットにした単館系の最新作から昭和の名作まで年間、約350本もの作品を上映。こだわりのシートはパリのオペラ座と同じフランスのキネット社製に変えました。「(街の)昭和っぽい懐かしい雰囲気や(であるとか)(あるいは)文化の香りがするというところにひかれて関わるようになった。街のランドマーク的な存在になれたらいいなと思いますね」と支配人。
さらにイベントも開催。かつてこの方のライブ。2008年開催(泉谷しげるが来るンだから大目に見ろよ!)では、泉谷さんが「立てよ!おら!ジャンプしろ!」なんてシャウトしてたのも番組では流れました。
スタジオでは泉谷さんが「これはね。どうしても映画館でやりたくて、映画と音楽のコラボどうかできないかということで。フォークシンガー 故高田渡さん(@アルタミラミュージック)のなんか映画をやったときに、みんなすっごい人が集まったんですよ。昔の映画館てそうだったじゃない。(吉川さんが「みんな立ち見いっぱいでしたからね」と相槌)それだったらライブとやればなるんじゃないかということで。で、もうみんなでライブやっちゃえっていうんで。こうすごい人が来たときには、あ、これが昔の映画館だなぁ。熱量も。」と語ってました。最後に、「ここまでやっちゃいけないよな。立てよオラ!は。普通は座って見るもんだから。」と先ほど流れた昔のイベントにツッコミを入れてました。さらにスタジオでは「脅迫ですからと」突っ込まれて笑いを誘ってました。
そして、マスターはハマチャチャの元祖というタケヤさんについて吉川さんにいかがでした?と尋ねると「かっこいいおじちゃまですねぇ。ハマチャチャ習いに行きたくなりましたもん。」と回答。するとグローバーさんが「僕も横浜で音楽。。。まぁミュージシャンになっていくときに、いろんな先輩がちょっとやってみようよとか、ちょっとじゃあさっきみたいに踊ってみようよ、とか。なんかすぐね遊んでくれるんですよね。知らないうちになんか教えてくれるんですよ。」と続いてました。
最後に泉谷さんが「早いんだよね。やっぱり。。。ちょっとこう新しい音楽聴くならとにかく横浜に行け。例えば、グループサウンズの時代はザ・ゴールデン・カップスっていうのがいたんだけど、めちゃ上手いの。なんでアイドルやってんのっていうくらいさ。みんなこう東京からナメて行くんだけどみんな圧倒される。ごめんなさいって。」と締め括っていました。
京急線のガードをくぐった路地裏。1軒の窓が閉ざされた古い民家に遭遇。新しいマンションが増えているなか、ぽっつりと残る渋い建物。ちょっと怪しげな雰囲気です。しかしこの建物の表に回ってみると、打って変わってアメリカン。ピンクの車が半分埋まり、看板には「Pink Holiday」と書かれています。まさか怪しいお店の名残でしょうか?覗いてみると中は真っピンク!気になるので訪ねてみました。
いらっしゃいませ〜 お2階 お好きなお席へどうぞ (あら 可愛らしい方 とグローバー)言われるがまま2階へ上がると、やはり真っピンク(360度ピンク)取材班のおじさんたちは浮きまくりです。しかも棚(壁一面に人形)には大量のかわいい人形。いったいここは?「ピンクとドールに囲まれたカフェです。私がバービーが好きでたくさん集めたものをいろんなお客さんに見てもらいたくて始めました。」と、オーナーの伊勢久乃さん。
バービー好きな人が集えるようにと5年前に開いたカフェ。これまでに集めてきた300体以上のバービーを飾っています。アフロヘアのアンティークバービー(1960年製)など貴重な品も展示。「なかでも紫色のこの子は日本で60体しか発売されていないので結構レアですね。」LAのブランド tokidokiとコラボしたバービーは2体あるため一つは15万円で販売中です。(バービーラブズtokidoki 10周年記念ドールプラチナラベル)
せっかくなのでカフェメニューも頼んでみました。人気はオリジナルカレー(1,650円)ということですが、こちらもまたものすごいピンク。味がちょっと想像できないビジュアルですが、普通に美味しいカレーです。更にオススメの食べ物はなぜか人形。実はこちらはドールケーキ。ドレスとしてクリームでデコレーション。ドレスの中はパンケーキですが、(ドールケーキ3,850円〜 前日までに要予約)ドールはもちろん食べられません。
そして帰り際に気になったのが、この大きなボックス(入り口付近)こちらは、お人形になりきれる「なりきりボックス」。バービーの箱をイメージしたフォトスポット。今 インスタなどでひそかに話題です。サングラスやウィッグなど変身アイテムもレンタル(無料)。なのでおじさんもバービーになりきれます。
横浜黄金町の気にスポはバービー好きのオーナーが開くカフェPink Holidayでした。
「バービーファンにしてみたら、あれだけのバービー全部揃えるって大変だとおみますよ。」と吉川さん。あのオーナーさん実は元お笑い芸人さんで、芸人引退したあとに日ノ出町駅の近くにある「ドラゴンキッチン」という居酒屋のオーナーさんもやりながら、そこで儲かったお金でこちらを。と言う解説。「すごいじゃん。やり手だね。」と峰さん。
すると泉谷さんが、「だから若いやつにこういう廃屋じゃないけど、近くにあるようなところをどんどん貸して」と言うと、吾郎さんが「安くね。活性化、活性化って、一番簡単なのは家賃下げることなんですよ。」グローバーさんが「若い子はお金無いけどやりたい事はいっぱいある。」といい、吾郎さんが「そういう人に場所を提供すれば活性化してくれるんだよ。街を。」と今の時代ならではのコメントが出てました。
そして最後にイノッチ部長に「まずは泉谷さん Pink Holidayにねまずは行ってみてください。」と突っ込まれ「おじさん的にはイヤだな あんなピンク。」と言いつつ、今日来ていたピンクのTシャツを見せびらかして、「どの口が言う?大好きじゃ無いですか!」と突っ込まれて笑いを誘っていました。
文明開化の足跡。西洋の風が漂います。5代続く老舗の理容院。創業した年を伺うと、なんと、断髪令が交付される2年前の明治2年に開業。日本最古の西洋理髪店のひとつと言われています。5代目は柴垣真太郎さん。
番組では明治時代のお店の写真が複数流れましたが、当時のお店には、ドイツ製ストーブ、フランス製の鏡やアメリカ製の椅子などモダンなしつらえでした。横浜に柴垣あり。歴史は受け継がれます。この頃はとてもハイカラでオシャレでしたね。
時代を超えて。戦争で食料事情が厳しさを増していた昭和13年頃。庶民が安く呑めるようにと生まれたのが市民酒場です。かつて横浜市内に200軒近く(昭和30年代)あり、今もおよそ50軒が営業。今回のエリアに2軒が残ります。その一つが、創業からおよそ80年続く和泉屋。市内でも屈指の歴史を有する市民酒場です。
昭和20(1945)年創業当時からのメニューも健在。かつて30円だったレバテキ(500円)は今も名物です。塩で炒めたレバーをカラシでいただけばシンプルなおいしさ。さらに、横浜のホテルで腕を磨いた3代目(秋津清彦さん)が洋食メニューを加えました。牛ホホ肉の赤ワイン煮(990円)。オールドファンも納得の味です。
番組ではお肉系の料理しか紹介されませんでしたが、和泉屋は魚にこだわっていて、確かな目利きで仕入れた新鮮な魚や貝を刺身やバラエティーに富んだ和食で楽しむことが出来ます。また、国産のどぜうをいただくことができ、中でも「どぜう鍋/1,000円(税抜)」は一押しメニューなんだそうですよ。
変わって栄屋酒場は横浜きっての名酒場です。暖簾をくぐればそこは、またもや映画に出てきそうな空間。終戦直後からの建物で、2代目(三宅明治さん 78歳)ご夫婦が切り盛りしています。「年中来ているお客がね横浜で2番目に汚い店だって言ってた。それがね30年くらい前の話だよ。だから今1番かもしれない。」と店主が笑いながら話してました。
たとえ横浜でいちばん汚くても(シメサバ 770円)一番おいしいものがある。(あなご天 690円)戦中戦後のつらい時期を乗り越えた市民酒場には、きっといろんな人のさまざまなドラマが染みついています。
大岡川は、京急線沿いを流れ、横浜港へと注ぐ二級河川。春先には、川の両側の桜並木が一斉にピンクに染まり、多くの屋台と大勢の花見客で溢れます。今、大岡川では、初心者でも楽しめるSUP(スタンドアップパドルボード)が人気。「水辺荘」では、横浜の水辺・みなとみらいや大岡川で、初心者でも「港町 横浜」の景観が楽しめるサップ体験やツアーを開催。日ノ出町の船着場から出発し50分ほど水上散歩を楽しめば、みなとみらいに到着します。(初心者講習 要予約 1名3,000円〜 SUPレンタル・保険料込み)桜の季節にはお花見や水上でのお茶会も開かれます。
散策土産に。明治時代、大岡川の水運を生かしてこの地に材木商が集まったのが始まりといわれ。現在も、調理器具(ツチヤ商会)やネジ(ねじのオクヤマ)などさまざまな専門店が残ります。第2位問屋。 その1軒が、明治30(1897)年から続く横浜最古参の駄菓子問屋「佐野屋」です。一般の方も購入できます。(バッチンガム 1シート12個 1,108円、モロッコヨーグル 1箱60個 1,036円が紹介されました)なかにはオリジナルの商品も。パッケージもレトロな横濱金平糖(324円)と横濱ドロップス(324円)です。懐かしい品々を見つけて大人もテンションが上がりそうです。
変わって永野鰹節店は昭和22(1947)年創業の鰹節専門店。一般の方も購入オーケーです。九州から取り寄せた鰹節を使用。削る厚さを調整しやすいようお店で火入れします(九州産鰹節)。その鰹節は、横浜の多くの蕎麦処も信頼を寄せる逸品です。あわせてオススメなのが、自家製のふりかけ(万能ふりかけ 108円)。鰹節、煮干し、昆布、海苔、塩の豊かな旨味が、白いご飯をごちそうにしてくれます。
そして1位はまさかの?街再生の象徴。今年で12回目となるアートのイベントです。黄金町駅と日ノ出町駅の間で11月4日まで開催中。メイン会場は高架下や周辺のかつて違法店舗だった建物。ギャラリーとして活用しています。年々注目を増し、今回は8か国15組のアーティストが参加。11月2・3日は、「のきさきアートフェア&パンとコーヒーマルシェ」も同時開催。生まれ変わった黄金町。新たなパワーに満ちています。
番組では、いくつかのアーティストとその作品が紹介されました。ギャラリーMZ arts 水脇理恵展「地球、海とかいじゅう」や大平荘スタジオ ツァオ・シュウさん(中国)「窓の外の化物」。こちらはCGを空間と組み合わせた作品を展示。アヌラック・タンニャパリットさん(タイ)「近代都市のモンスター」。
オーストラリア出身のエレナ・ノックスさんは初参加。「この場所は大好きです。私はメディアアーティストなので、窓のない場所がとても魅力的」。元違法店舗の窓のない特殊な建物がエレナさんの映像作品にピッタリなのだそう。今回の「ヴォルカナ・ブレインストーム」のコンセプトは「エビのためのポルノ」です。
またアイルランドから来たスザンヌ・ムーニーさんは、現像などに古典的な手法を用い写真作品を生み出します。4年前にこの街を拠点にした理由は、「もう海外ではアーティストのスタジオは、普通にちょっと危ない場所にある。黄金町は怖くないし、いろんなタイプの人が一緒に住んでいるのが一番面白いと思います。」とのこと。
そんな一大イベントの仕掛け人が、2005年に横浜トリエンナーレのキュレーターを務めた山野真悟さんです。黄金町をアートの街にするため福岡から移り住みました。黄金町バザールディレクターも務める山野さんは、「地域とアートがつながり、その中で子供たちが成長していくと。そういうエリアにしていくと、将来楽しみな面白い街になると期待を持っています。」とコメントしていました。
スタジオでは、「素晴らしい」「素晴らしいですね」「普通は諦めるよ」「あんなに再生は奇跡ですよ」「そのくらいすごかったんですよ。本当に前が。」「本当に努力。信じられないでしょ?」「信じれれないよ!」「また近々、上大岡の親の墓参りするので黄金町おります。」「ぜひそうしてください。」と皆さん黄金町の変貌ぶりに驚愕してました。これからの黄金町がどうなっていくか楽しみですね。